コラム

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子どもたちの居場所を守りたい…。町の人たちの想いが生んだ児童館。

まつなみキッズセンター

児童館

能登町松波にある児童館。対象は0歳~18歳まで。現在は小学生の利用が多い中、色々な遊びや経験を通して子どもたちが健康かつ心豊かに過ごすことを目的としている。利用は無料。ミニお茶会や絵本の読み聞かせなど、地元有志のボランティアによって多彩な催しが行われている。


 設立のきっかけは?

ここの場所は元々、地元の子どもたちが通う幼稚園でした。少子化の影響で2001年に幼稚園が閉まると決まったときに、保護者の方たちが「子どもたちのための施設として残して欲しい」と署名活動をしました。それによって町の教育委員会が「子育て支援になるなら」と、施設を存続させる判断をしました。まだ、能登町が合併する前の時代の話です。

それから傷んでいる部分を改修して、半年後に「まつなみキッズセンター」という名称で再スタート。学校帰りの子どもたちの遊び場として利用されました。その後、3町村が合併して能登町が誕生し、正式な児童館となりました。

さらに2008年には能登町の指定管理を受けて、現在までの継続に至っています。この施設は保護者をはじめとする町全体の「子どもたちの成長を守りたい」という気持ちが作り上げたものだと、私たちは感じて今日まできました。

 

どんな子どもたちが利用していますか?

週末は松波地区以外の地域からの利用もありますが、平日は松波小学校から徒歩圏ということもあり、たくさんの小学生が利用しています。一日平均30名。多い日は松波小学校の全校児童110名の約半数が来館することもあります。

ポイントになっているのはランドセル来館。一般的な児童館では、一度帰宅してからの来館が規則になっていることが多いのですが、「まつなみキッズセンター」では地元の小学校や教育委員会との連携によって、下校後自宅に帰宅せずにランドセルを背負ったまま児童館で児童館に来て遊ぶことができる、ランドセル来館が可能になっています。

 

なぜ、そうする必要があるんですか?

能登町には小学校が5つしかありません。そのため学区も広くなり、子どもたちのほとんどがスクールバスや保護者の車で学校に通っています。学校が終わってすぐにバスに乗って帰ってしまうと、友達と一緒に遊ぶことができません。そんな児童たちが放課後を過ごせる憩いの場として、地域の子どもたちの「遊び」を守るのが目的です。

 

子どもたちはどんなことをして遊んでいますか?

児童館には世代を問わずに遊べるさまざまな遊具が揃っており、自発的に遊びを選べる品揃えを心がけています。隣接する公園には大型の遊具もあり、広いスペースではゴムボール野球や鬼ごっこをし、屋内ではドッジボールや一輪車などアクティブな遊びをする子もたくさんいます。

館内の部屋は「静かに遊ぶ部屋」と「わいわい遊ぶ部屋」を分けた構成で、子どもの性質にあった遊び場を提供しています。「家に帰ったらゲームをしたい」というイマドキの理由で、宿題に集中する子どもも結構いますね。

また、絵本の読み聞かせやお茶会など、地域の方々のボランティアによる行事も定期的に行なっています。児童館独自の行事としては、月に1回「あっぷるたいむ」を開催。オセロ大会やビーチボールバレー大会などで盛り上がっています。

ハロウィンやクリスマスなどの季節ごとの催しは、公民館と合同でやることが多いです。あちこちでやるとどうしても子どもたちが分散して盛り上がりに欠けてしまうので…。能登町の人はみんなお祭り好き。イベントを盛り上げるためにも、なるべく他施設と連携できるよう配慮しています。

 

安全対策はしていますか?

地域との連携を第一に考えながら、保護者や子どもたちが安心して遊べる環境づくりを心がけています。とくにケガの危険性がある遊具の管理には気を遣っており、児童構成員としての研修を受けたスタッフが「ケガの心配はないか」「集団に溶け込んでいるか」など、子どもたちが安全かつ自主的に遊んでいるかを注意深く見守っているつもりです。

送り迎えのために来館する保護者の方には、館内で気づいたことをできるだけ伝えるようにしています。そのことで少しでも信頼関係を築くことができればと考えています。また、児童館と保護者の相互理解が子どもたちの安全管理につながるという観点から、新年度が始まる前に地域の小学校の保護者説明会に参加して、児童館の案内やランドセル来館の注意点などの案内をしています。

そんなこともあって、地元の子どもたちは私たちのことを学校の外にいる先生だと思っているみたいです。

加えて防犯や緊急時のために来館のさいには任意で連絡先をもらうようにしています。さらに2019年からは、地域の商店連盟が子ども身守りシステム端末を小学校とキッズセンターに設置したことにより、子どもたちの安全対策がより強化されました。

 

利用するための条件はありますか?

とくにありません。利用は無料。自由来館で利用登録もありません。小学生以下のお子様は保護者の同伴が必要ですが、0歳児から高校生まで誰でも利用することができます。朝10時から夕方18時まで。土曜日も利用できます(日月は休み)。

 

学童保育との違いは?

学童保育は日中働く保護者に変わって子どもたちを預かる施設。指導員が子どもの育成をします。申請が必要で利用料は数千円かかりますが、おやつなども出ます。児童館は自由来館です。とはいえ子どもたちに安全な放課後の居場所を提供する施設。厚生員が子どもたちの遊びを見守ります。利用は無料で登録も不要です。

そのほかにも能登町にはスポーツ少年団という、スポーツによって子どもたちを育成する組織もあります。能登町は古くからソフトテニスが盛んで、これまで優秀な選手を何人も輩出してきました。スポーツ文化が根付いた町なんです。

学童保育、児童館、スポーツ少年団。それぞれの活動に特徴があるので、あとは家庭の都合やお子様の意思によって選んでもらうのが一番。小さな町でも、子どもたちの「学びのカタチ」は選べます。

 

能登町には他にも児童館はありますか?

宇出津に「こどもみらいセンター」という町営の児童館があります。じつは石川県はすべての市町村に児童館があるのですが、これは全国的にも珍しいケースだそうです。これも石川県の子育て支援が充実していると言われる理由のひとつ。児童館の普及が早かったので、職員に対する教育や研修もしっかりと整っていると感じています。

 

これからについて

「まつなみキッズセンター」は開館当初から、ボランティアや保護者の方々など地域の力に支えられてきました。そして児童館活動にご理解いただいているからこそ続けることができたと思います。

これからもみなさんとともに、子どもたちが心休まる場所を提供しながら、ひとりひとりの成長を見守り続けていきたいです。

 

 

まつなみキッズセンター
能登町字松波13-50-2
0768-72-0269
10:00~18:00 日月休