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やっとるよ

能登町 企業メッセージ

鮮度抜群の魚を全国の食卓へ。
海と魚を学び続ける漁師集団。

漁業

有限会社 日の出大敷

能登町鵜川で定置網漁を営む会社。年間2,000トン以上の漁獲高を誇る、能登町随一の漁家として知られる。おもにアジ、サバ、イワシ、ブリ、イカ、サワラなどを漁獲。網上げの機械化や製網会社との共同研究による網の開発、船上での〆など、北陸地方における漁業の技術革新にもひと役買っている。

江戸時代から伝わる伝統漁「大敷網」で代々漁を続ける漁師集団。
定置網漁の生命線とも言える鮮度を追求し、技術革新を続けてきた漁家たちの心の支えとなっているのは、家族や仲間と共に過ごす時間だった。

日の出大敷とはどんな会社ですか?

世界でも有数の漁場として知られる能登の海で、伝統的な大敷網を使った漁を代々続ける漁師集団です。年々進化する漁業の技術に負けないよう新しいものを積極的に取り入れながら、新鮮な魚を食卓に届けるため日々海と魚を学んでいます。

大敷網ってなんですか?

陸から2〜5キロほど離れた沖にある魚の通路に垣網を張り、魚を袋網に誘導して捕獲する大型定置網。江戸時代から明治末期まで全国的に普及した歴史ある漁法です。イワシやブリなど獲れる魚の種類は季節によってさまざまですが、ときには予想以上の大群が網に入ることもあり、海の恵みと旬の喜びを強く体感できます。大型の漁船で魚を追って大量に獲るのとは対照的に、魚の動きそのものを読む漁法のため「待ちの漁」とも言われてきました。自然への回帰や資源の重要性が見直されている近年では、魚を根こそぎ獲ることのない省エネ漁業として注目されています。

毎朝、何時頃に漁に出かけるんですか?

出港するのが午前2時頃。30分ほどすると漁場に着くので、そこで仕掛けた身網に入った魚を船内に取り込みます。この「網起こし」と呼ばれる作業に約1〜2時間。もっとも人手が必要な作業で、漁師にとってやりがいを感じる瞬間ともいえます。その日の成果次第ですが、明け方には帰港して水揚げと魚の選別、船の掃除をして一日の仕事が終わります。船の機関や設備の修理、網の補修などの作業が長引くことがなければ、午後からは自由時間となる日が多いです。

そんなに早く終わるんですね!

はい。なので毎日家に帰ることができます。家族と接する時間を十分に取れるのも定置網漁の魅力。現場では体力や集中力、緊張感などが要求されるのは当然ですが、プライベートでは自分の時間をしっかり持つことができます。拘束される時間も短く、身体への負担も少ないため未経験者や高齢者でも働きやすいのも特徴で、昔から遠洋漁業あがりの漁師や定年を迎えた会社員などの第2の勤め先として重宝されてきました。農業をやりながら漁師もする兼業漁師も結構いるんですよ。

現在、社員さんは何名いますか?

漁師だけで10数名。市場まで魚を輸送する運転手や水揚げの手伝いをするパートさんも含めると20名近くになります。

やっぱり漁獲量によって収入も変わるんですか?

漁師といえば獲ったら獲った分だけ収入が増えると思われがちですが、それはマグロやイカなどの遠洋漁業の船乗りの話。沿岸でコツコツと漁をする定置網漁は漁獲高が安定しているので、必然的に収入も安定してきます。僕たちの会社は完全月給制(ボーナスあり)。漁獲高によっては手当も付きますが、基本的には普通の会社員と同じです。

日々の漁の中で心がけていることはありますか?

どの船よりも獲った魚が高値で取引されるよう、船の上の鮮度のまま市場や食卓に届けられるよう努力しています。一番大事なのは沖での処理。船の上で魚を選別して血を抜く「活きじめ」は手間がかかりますが、鮮度を保つためには大切な作業。それだけで鮮度が段違いに変わります。僕自身、もともと生魚が苦手でしたが、他の船で漁師をしていた頃に活じめした魚を食べてから平気になりました。本当に新鮮な刺身は醤油をつけなくても食べられる。まったく生臭くありません。

活けじめした魚はどうするんですか?

ろ過殺菌した安全な海水とシャーベット状にした氷で鮮度を保っています。ほかにも魚の食べ方を知り尽くした漁師の鮮度保持技術や迅速な輸送などによって、限りなく新鮮なまま市場に向かいます。

日の出大敷の魚が上手いと言われる理由は他にもありますか?

やっぱり世界有数の魚場である能登の海の恵みに尽きます。能登半島と富山湾は地形的にも天然のいけすのように魚が集まりやすい形になっていますが、このエリアの海水は対馬暖流と冷たい日本海の海水がぶつかって混ざりながら、能登半島が日本海に張り出しているため対馬暖流からの回遊魚が入り込みやすくなっています。その影響によって能登は、暖水性から寒水性まで多種多様な魚が水揚げされる最高の漁場になっています。また、立山連峰など標高3000メートル級の山々と大きな河川があり、そこから滋養たっぷりの水が富山湾に流れ込んでプランクトンを育てています。その影響によって能登の海は、魚が育ちやすい環境になっています。沿岸から近い場所で漁をするので、鮮度が高い魚をお届けできるのも理由のひとつだと思います。

漁に出るときはどんなことを気をつけていますか?

すべての仕事でリスクを犯さないこと。従業員の身体と命を守ることを第一に心がけています。とくに新人漁師はベテランが目を離さず見守っています。あとは漁から帰ってきたらみんなで朝ごはんを食べるのも父の代からの風習。世間話をしながら、その日に獲れた魚や、お母さんたちが作ってくれたまかないを食べます。漁師間のコミュニケーションにもなるし、それによって団結力も生まれる気がします。

これからの「日の出大敷」について、考えていることはありますか?

宇出津の市場に揚がる魚の80%以上が大敷網(定置網)によるもの。能登町の漁業の担い手としての責任を感じています。自分たちが船の上で食べるような新鮮な魚をそのまま消費者に届けられたら「日の出大敷」の漁がこれまで以上に認められるはず。そうなれば、もっともっと能登町の漁業が盛り上がるに違いありません。

定置網漁は管理が難しい漁業。高齢化が進んでいくと、それができる船も減ってしまいます。そんな船に若い漁師を送り込むのがこれからの目指すところ。定置網漁を指揮する担い手を育てるのが僕たちの使命だと思っています。最終的には能登町すべての漁を引き受けて雇用を創出したい。漁業のワンストップ化によって無駄な支出を抑えることができれば、賃金もあげることができるはずです。この町の定置網という文化を後世に伝えながら、能登の食と職を守っていけたら最高ですね。

毎日自宅から通えるくらい時間に余裕があり、身体的な負担が少ないなど人に優しい定置網漁。
先人たちの知恵を受け継ぐ「待ちの漁」は今、世界へと少しずつ広がりを見せている。

中田 洋助さん

1987年生まれ。能登町出身。五代目網元。
東京の大学(水産学部)を卒業後、家業を継ぐための勉強として、定置網の全国シェア日本一を誇る製網会社「ホクモウ」に入社。4年間勤務する。Uターン後は漁師ひと筋。現在は父の代わりに現場の指揮をすることが多い。

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