能登町定住促進協議会

コラム

column

文無しからの再出発。ネコ暮らしでノト暮らし。

友人が田舎暮らしをしたいということで、横浜から移住することになった。しかし、私は、文無しでその家を追い出される羽目になったのである。

移住してから、気に掛けてくれていた能登町役場の方が事情を察し動いてくれた。すぐに、仕事、住み家がトントン拍子に決まり、生ける形が整ったのである。 

よって、能登の柳田で再出発となったのである。 

仕事先は、歩きでも通える所で、配食サービス・訪問入浴の業務に従事することになった。 

住み家は、一戸建てで畑がある。願ってもない場所である。これで食に困ることがなく、特に家の前に道路を挟んで3~4m幅の川があることである。これは、雪処理に適していることである。 

まるで、再出発の場所が待っていてくれたように思われる。

 

 

ネズミ対策

 一階の天井裏に鼠が住んでいる。夜や昼間の留守時、台所に来て餌を漁っている。そこで、特定の場所にエサを置いておくとほかの場所を動き回らない事が判明、巣とエサの間を行き来するのである。

 ある日、野良猫(オス)が出入りしているのを発見した。初めは、一匹だけだった。エサを用意しておくと定期的にエサを食べに来る。馴らそうとしてしばらく様子を見ていたが、一向に馴れない。ある時、もう一匹のメス猫を連れてきていた。

 このメス猫「トト」、初めは、馴つかなかったが、左半身、粘着剤をベットリと付けて、助けを求めるように寄ってきた。毛を刈り取らないとダメなので、一週間ほど掛けて刈り取った。それ以降、信用してくれたのか馴ついてくれた。 

こうして、この猫との共同生活が始まった。

その後、しばらく経ってネズミが居なくなった。ネズミ退治成功である。

 

猫との同居生活

 「トト」との出会いは上記の通りである。トトは孕んでいて、一昨年の6月に出産となる。この出産に際して、産床を一緒に準備した。

 出産日は、いつもと違った行動をし、落ち着かない様子である。そのうち産床に入り、私の目の前で出産である。

出産6日後、人間を信用してないのか、畑の小屋の方に子供を運び出していた。 

後日、子連れで餌を食べに来るだろうと思っていたが、子猫の姿は見ることは無かった。 

うまく育たなかったのだろう。ここはキツネ、タヌキ、ムジナ、トンビ、カラスなど子猫にとって敵が多い。

翌年、5月に再び出産である。やはり一緒に産床を作り、また私の目前で出産。今回は、我が家で育てていた。

 

今回も4匹生まれたのであるが、3ヶ月目に2匹が鳶の餌食になってしまった。 

1匹は猫を飼いたい方にあげた。また、残念ながら「トト」は車に跳ねられてしまった。現在、残った子猫「マロ」1匹と同居中である。

人に子猫を引き渡す時に、マロの目前で行ったものであるからか、それから、人間不信に陥ったようである。 

手の平を返す様に私を避けるようになった。それでも、トトが居なくなってから、淋しいのか、徐々に私に近づくようになった。が、いまだに、来訪者に対しては物凄い勢いで縁の下に逃げ込むのである。 

マロが連れ去られるのを恐れているかのようである。

 

 

 柳田では、近所、仕事先、施設利用者達に目をかけられて、平穏無事な毎日を送っている次第である。 

「能登に生きる」と言うより、「能登に生かされて」という方が当たっているように思われる。