能登町定住促進協議会

コラム

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百楽荘

百楽荘

募集人財:旅館スタッフ、経営幹部、支配人候補募集

代表取締役
萩原 聡彦さん

九十九湾に面した好立地にあるお宿。空間が徐々に充実し、料理も洞窟風呂も人気です。桟橋からの釣りを楽しみに訪れるリピーターも多い。経営幹部、支配人候補を募集中です。

奥能登で「三方良し」の旅館経営を目指す

萩原社長のもとで経験を積むと、仕事は厳しいかもしれないが、どこに行っても仕事ができるようになりそうだ。経営者を育てることに注力されており、人財の受け皿であると同時に、大いなる育成機関として機能しそうな企業である。

百楽荘
URL:http://www.100raku.com
〒927-0552 石川県鳳珠郡能登町越坂11-34
TEL.:0768-74-1115 FAX:0768-74-1118

求人を常に出している理由

現状の最たる悩みが、人財確保です。ご宿泊客様のご利用が安定してきたのに、スタッフが全く足りずに困っています。全職種で募集しているのですが、充足していません。売り上げも毎年上昇しているので、仕事は毎年増えています。それで、常にスタッフを募集しています。私たちの夢を叶えるためには仲間はいくらいても足りない。

宿泊業に向いている人財は?

宿泊業での経験が無い人が意外によいです。料理人には料理の経験が必要ですが、料理人に能登で定住してくれというと、家族が嫌がるという理由でなかなか能登に来てくれません。京都で経営している会社のほうになら来てくれますが、能登だと「田舎過ぎて嫌です」と言われたりします。一方で、北海道の高級旅館から支配人の採用に成功しています。

学歴の高い人は、大企業で働くより「地域に貢献したい」という方が多く、NPOに超優秀な人が就職したりしています。そのような人財と、地域(企業や団体)とをつなぐマッチングが難しいですね。

新卒採用の予定は?

来春は大卒7名、高卒7名の新卒採用を予定しています。新卒採用には専門のコンサルタントを入れて取り組んでいます。金沢の学生なども、「能登に興味がある」と来てくれます。
正社員の平均年齢は20代、中高年の方もいたほうがよいが、将来のためには若い人財を増やしたい。中途での採用にも以前から取り組んでいます。

新たな宿も増やし、そこでも人材確保を図る予定

スタッフの確保は能登だけでは難しい。そのため、新たな宿を石川県内に確保し、そこでもスタッフを採用し、人事ローテーションを組んで能登に3年程度来てもらうような人財確保を図ろうと考えています。旅館業なので、近くで増やすよりは少し離れたところで増やしていきたい。
その時に問題になるのが、スタッフの住む所。寮もあるのですが足りません。町営住宅は単身者は対象外。寮を作ることも検討したが、投資が大きくなるので諦めました。

人口減少の歯止めがきかない能登町では、町も県も一緒になって産業発展に取り組まないといけない状況ですから、行政には単身者用の住宅の確保を進めて欲しいですね。シェアハウスでもよいくらい。

旅館の再生コンサルタントとしての仕事は?

旅館コンサルタント業もしています。顧客の半分は業績のよい旅館です。残り半分は銀行から依頼を受け、旅館再生を手伝っています。

旅館業でよく言っているのは、「経営者を育てましょう」ということ。旅館業界も衰退しているので、経営者を育てないと続かない。たとえ施設が立派でスタッフが優秀でも、トップ経営者がダメなら再建は難しい。

10年間に3割以上の旅館が潰れていて、市場規模は20年で6割減少しています。ずっと衰退していて、一方でホテルは伸びています。ホテルの多くは都市にあり、建物そのものが資産で、それが担保になっているので誰かに譲っても大丈夫。旅館は家族経営が多いために傾きやすい。家族経営を脱却しなければいけない。それができるかどうかが鍵でしょう。

百楽荘は、「一族には一切経営を譲らない。社員に経営を譲る」と明言しています。経営者を育て、新しい旅館を買収し、次々と経営者を輩出したいと考えています。

「百年企業」とは?その目指すものは?

社員に常々話しているのは、「百年企業」を作りたいということ。企業規模を大きくすることではなく、百年後においてもお客様や地域から支持される企業を目指しています。

世界で100年以上続く企業は、日本に最も多く、約二万社あります。2位のイギリスでも二千社ほどです。日本は圧倒的に多い。一方、創業しても続かない企業は非常に多い。創業企業の99.875%は30年以内に潰れています。1万社で2.5社しか生き残らない。戦後、日本企業も潰れやすくなったのは、アメリカ的資本主義が入ってきたため。利益追求が優先して駄目になるケースが多い。

100年続くために、近江商人の「三方良しの精神」で経営する企業を目指しています。経営が軌道に乗ってきて、ようやく最近そのようなことが言えるようになりました。

「百年企業」のつくりかた

100年後には、もちろん現在の経営者もいません。次なる世代を育てないといけません。企業理念を社員と共有しながら、日々の仕事を通じて実践されるようにならないといけない。「100年後のビジョン」という映像まで作って共有化を図っています。100年ビジョンだけでなく、みんなが何のために働くのか、おもてなしとは何なのかを映像化しています。若い人には映像とかマンガで伝えないと伝わらない。文章だけでは伝わらない。

人に何かを伝えるためには、ほめても駄目で、怒っても駄目で、唯一可能なのは、コミュニケーションを図って、繰り返し語り続けること。毎月一回、全館止めて全社会議を開き、共有化を図ってきました。

100年後の会社のことを経営者が思うだけでなく、全スタッフが思うことで、100年後の能登を豊かにすることができ、日本の地域に貢献でき、おもてなしの文化を世界に広げることもできるのではないか。社長だけが言ったり動いたりするのではなく、全スタッフが一緒になって、動かないといけない。

次に入ってくる私たちの子どもや孫の世代を幸せにするために、今の一歩を踏み出して行きましょうよ!

地元高校への寄付ができた。地域への還元の第一歩

おかげさまで近年経営が安定してきたので、自社の経営だけでなく、地域への還元を考えています。今年は、スタッフに出身者が多い珠洲実業高校に寄付をさせていただきました。本当は奨学金を出したかったが、個別の企業が特定の学生に出すのはよろしくないとのことで、「能登の子どもたちが、能登をもっと好きになるため」に活用して欲しいとお願いしました。

社訓には、「社会に貢献すること」を掲げています。

私が送り込まれた13~14年前、売上の何倍もの借金があり、倒産しかかった状態から再建を図り、毎年のように改装しながらも借金は全て返しました。再生が果たせたのは、能登出身のスタッフが活躍してくれたおかげなので、彼らの貢献に報いるためにも、地域に貢献したいと考えています。

スタッフも幸せになる「三方良し」の経営をみんなで目指す

一流の企業にしたいなら、まず社会性を追求することです。企業は、人から求められるから存続するのであって、人から価値が無いと思われれば続きません。まずは、私たちがどのように社会に貢献するかを考えましょう。その次に、独自性です。私たちしかやっていない方法で社会に貢献しましょう。それをやっていると、経済性、社会からの利益がもたらされるのです。

スタッフを幸せにする経営を進めていきたい。この能登地域で、スタッフが幸せになるような経営を目指したい。もちろんスタッフだけでなく、地域の人々やお客様を幸せにできないといけない。企業理念に、「企業に関わる全ての人を幸せにする!」を掲げており、企業理念は毎朝、唱和しています。

(2015.4月インタビュー)

百楽荘

<企業理念>
・お客様に百の楽しみを感じて頂く為、常に進化する旅館であり続けることで、 「全ての人の心を、人生を豊かにする」サービスを創造します。

<社訓>
一.お客様の満足を第一に考えること
一.伝統を守りながら、常に新しいサービスを創造すること
一.利益を追求するのではなく、売り上げを最大限に伸ばし、経費を最小限に抑えること
一.誠実を旨とし、和を重んじること 一.オンリーワンを心がけること
一.お客様、社員、社会、会社にかかわるすべての人々を幸せにすること

問い合わせ先等

百楽荘 代表取締役 萩原聡彦
〒927-0552 石川県鳳珠郡能登町越坂11-34
TEL:0768-74-1115