能登町定住促進協議会

コラム

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いよいよ!? 能登町に集まる年に! 能登町 & オンライン開催が混じるのと未来会議から #のとがはじまる

2022年度の のと未来会議は新たな #のとがはじまる 予感!? 

ここ2年のコロナ禍も少し落ち着いてきた今日。2018年から初めて最初の2年は能登町で、次の2年はオンラインで開催を続けてきたのと未来会議ですが、いよいよ5年目となる2022年度はオンライン開催回と、能登町現地開催回を混ぜて開催していくことになりました。2022年度最初ののと未来会議は、オンラインで開催し、「今年ぜひ能登町に行ってみたい!」という方にぜひワーケーションを切り口にした能登町を知ってもらいたいということで開催しました。話題提供には、昨年より総務省の「地域活性化起業人」制度を利用し、能登町役場のふるさと振興課に所属している谷口聡さん、能登町にUターンをしてWEBデザイナーとして活躍している辻野実さん、そして他県の取り組みの共有ということで福井県高浜町役場でワーケーション推進を進めている野村つとむさんにお越しいただきました。

 

 

2022,07,05 のと未来会議  

  • オリエンテーション   
  • チェックイン:普段どこで活動していますか?
  • 話題提供者トーク1  能登町の取り組み ( 谷口さん、辻野さん )
  • 話題提供者トーク2  高浜町の取り組み ( 野村さん )
  • 小グループでの対話   能登町らしいワーケーションとは?
  • 全体共有
  • クロージング

 

地域に関わることは「自分創生!?」 能登町に来て感じた、創造性不足の処方箋

今回の話題提供者の1人である、谷口さんはもともとANAグループ会社に勤務していましたが、2021年より能登町にきたまさに「のとがはじまって」きている方。大手の企業に勤務していた生活から一転、能登町での暮らしでどのような影響と変化が自分に起きたのかというところを中心にお話いただきました。

 

元々都内で働いていたという谷口さんは、大手企業勤務と言われつつも社内調整や社内報告に追われ、形式主義の文化の中、自分に専門的スキルが身についていないのではないかという気持ちがあったと言います。 営業先を回っても自社商品の紹介だけで、何かを一緒に創り上げたりということがなく、人脈を形成したとしても担当者が変わるとほとんど機能しなかったりと、自分の感性を活かして何かを作り上げる経験が少ないまま時間が過ぎ、そしてコロナに直面してしまいました。

 

その後、能登町で1年以上働いたことで、地域を良くしようと動いているリーダーから刺激を受けたり、活動の中で仲間づくりができたり、そして未完成のフィールドに自分達で何かを創り上げていく楽しさや発見が多かったと言います。

 

そもそもワーケーションとはWork(仕事)+Vacation(休暇)の造語であり、

 

いつもと違う場所に滞在し、

いつもどおりの仕事を行いながら、

いつもと違う経験・体験をする取り組み

 

のこと。このいつもと違う経験・体験をするフィールドがVacationだけでなく、無限に広がるのが能登町でのワーケーションだとお話しされていました。

能登町にUターン! 再び のとがはじまる 取り組みとは

続いての話題提供は能登町出身で、大阪、そして金沢と暮らした後コロナを機に能登町にUターンをしたという辻野さん。現在は能登町でデザインの仕事をしており、能登町の定住促進協議会や能登町のワーケーションのサイトなどを制作しています。

 

「ワーケーションを突き詰めると2つ定義があるんじゃないかなと思います」

 

という辻野さん。1つは、今の仕事を場所を変えて行うワーケーションで、一般的で多くの人が「ワーケーション」と聞いたときに連想するもの。もう1つは、ある程度経験やスキルがある人が、その力を別のフィールドで活かすために場所を変えて、現地で仕事を生み出すというスタイル。辻野さんはどちらかというと能登町で後者のワーケーションを増やし、能登町と出会って、深く付き合ってくれる人を増やしていきたいとお話しされていました。

 

辻野さんが制作された能登町のワーケーションサイトのトップページには、

 

あなたの

のとがはじまる

ワーケーション

 

というメッセージが書かれています。

 

「これを実現させていくためには、能登町に来る人を増やすと同時に受け入れ態勢を整えることや、能登町の事業者側が「ちょっとこれ教えてもらえませんか?」という来た人に求めることも意識していく必要があると思っています」

 

そして、現在、コワーキングスペースとしても使える、能登町にある活動交流拠点 NOTO CROSS PORT でもいろんな人が交差して良い出会いや関係性が生まれる場所になって欲しいという願いを持っているとのことでした。県外から訪れる人にとっても、そして能登町在住の人にとっても「ちょっと困りごとがあるからクロスポ行ってくる」という会話が日常的になされるようになる日も、そう遠くはないかもしれません。

 

辻野さんが担当されたWebサイト

のとでいきる|能登町定住促進協議会
【能登町公式】のとがはじまるワーケーション
活動交流拠点 NOTO CROSS PORT(ノト クロスポート)

 

話題提供者のトークはこちらから動画でご覧いただけます。

 

ZENをテーマにワーケーションを広める、高浜町の事例

更に、今回ののと未来会議では、能登町で取り組んでいることだけでなく、他に精力的にワーケーションを広げる先行事例として福井県の高浜町の取り組みを、高浜町の役場に勤める野村さんから伺いました。

 

元々建設コンサルタントとして勤務していた野村さんは、その後フリーランスを経て福井県の高浜町役場に転職され、そこから10年程勤務されています。高浜町は東京から行くとなると6時間ほどかかるなど、どちらかというと行きにくい場所であること、そして原発のある街として知られ、単一産業であることや廃炉を控えているため、これから別の産業を生み出していく必要があるなど、一見ワーケーションをするには条件が良いとは言えない要素もある場所です。

 

しかし、ワーケーションにくる人の滞在先候補にもなりうる民宿群が日本で一番あることや、ワーケーションという言葉が広がる前からいくつか作られていたオープンなワーキングスペースがあること、そして日本人の僧として初めて「禅」を「ZEN」として欧米に伝えた禅師である釈宗演が出身の場所であることなど、特徴や魅力となりうる要素もたっぷり持っているのが高浜町。そして写真の通りの美しい海辺が広がる場所でもあります。

高浜町は2020年度に地域 de WAA!と連携して、ワーケーションにくる人を受け入れたのを皮切りに、取り組みをまとめたコンセプトブックの作成や、翌年以降はワーケーションを絡めた1週間のキャンペーンプログラムなども実施しており、毎年アップデートを繰り返しながらここ数年で一気にその取り組みを広げることに成功しています。

 

単なる流行りではない!? 「感謝の循環」がつなぐ持続可能な社会

ワーケーションという言葉はここ数年、特にコロナ以降、大きく広がりを見せています。しかし、それは単なる流行にはしたくないと野村さんは続けます。

「ワーケーションとして一つの地域に長く滞在すると、その場の自然や人とより深くつながることができるようになります。都会にいる自分と、地域にいる自分を見つめ直す内省の時間をとることで、自分のウェルビーイングが高まります。ウェルビーイングが高まると免疫力や生産性、創造性が高まると言われています」

 

ワーケーションで地域に滞在することで、驚きや感動、そしてまた新たな気づきがあり、自然や人への感謝の気持ちが深まっていきます。そんな感謝の気持ちを循環させていくことが、持続可能な地域の価値を生んでいくと野村さんは結んでいました。

 

野村さんに取り組みについて発表いただいた後は、谷口さん、辻野さんから野村さんへ質問し合う時間をとりました。

 

「 推進しているのはどれくらいのチームなのか?どことどんな風に連携をしているのか?」

「 どんな風に協力を依頼しているのか?資金ってどうしているの?」

「 野村さん自身の心境はどんな風に変わっていったのか?」

 

などかなり赤裸々な質問が飛び交いました。

実際の野村さんの発表と質疑の様子はこちらからご覧いただけますので、関心がある方はぜひご覧になってみてください。

 

また、話題提供者の方のトークの流れ、キーワードを運営メンバーの出村さんがグラフィックレコーディングにまとめてくださっています。こちらも自由にダウンロードして見てみてくださいね。

Graphic recording by Sayo Demura.

 

能登町らしいワーケーションとはどんなもの?

毎回ののと未来会議では、話題提供者の方の話を聞くだけでなく、参加した方にとっても「能登と出会い、始まっていく」きっかけにしてもらいたいと、参加者同士でこれからの能登町へのアイデアを話す時間を作っています。

 

今回の話し合いのテーマはもちろん

「能登町らしいワーケーションはどんなものがありそうですか?」

というもの。せっかくこの時間を一緒に過ごしたので、今自分に思いつくアイデアを出してもらう時間にしました。

 

能登町に住んでいて参加している方は「もっとこんなことを取り入れられるのでは?」という観点から、能登町ではない場所に住んでいる方は「こんなものがあったら行きたい!」と思える要素とは?」という観点から話をしてもらいました。 小グループで話し合いをしてもらっている間、何名かの運営メンバーで出されたアイデアのメモをとっていきます。

全体はこちらから見ることができます。

いくつか出ていたアイデアをご紹介すると…

 

  • ワーケーションとして能登町に来つつ、お祭りに参加するというもの。祭礼が多い能登町ならではということで、この案は数としては最も多く上がっていました。
  • 「今日は能登町でこんなことがあるよ!」とか「○月×日のお手伝い募集!」などの情報がクロスポにまとめてある 
  • 宿泊情報をわかりやすく得られる場所が欲しい

 

などなど。わずかな時間であっても「一緒に話し、一緒に作る」をのと未来会議では大切にしています。

 

8月と11月はぜひ能登町へ!

今年ののと未来会議は全6回を予定しています。(連続ではないので、各回で参加したい回にぜひご参加ください。)  

特に、8月11日・ ​​11月23日は能登町での現地開催になります。オンラインで「能登町に出会って、のとがはじまってきた」という方はぜひ、現地でお会いしましょう。また、上の画像には記載していませんが、2023年の1月19日と3月2日にも開催を予定しています。

 

オンライン開催も、現地開催も。ぜひ今年ののと未来会議にもご期待ください!