#のとがはじまる をテーマに開催を続けている今年ののと未来会議。今回は「能登町が好き」が生まれる場を創る をテーマに、#のとがはじまる を自ら創り出している3名に話題提供にお越しいただき、能登町で開催をしました。今回も神奈川、千葉、富山、山形、滋賀など石川県外からも参加者が駆けつける時間になりました。
【話題提供者に来てくださった方はこちら!】
上乗秀雄さん(ケロンの小さな村_村長)
金七聖子さん(松波酒造_若女将)
國分まゆ穂さん(DOYAコーヒー店長)
自然体験に酒蔵、コーヒーショップ。「能登町が大好き!」を彩る場。
まず初めに今回、話題提供に来ていただいた方の活動と、どのような想いで自分の場を開いたのかということをご紹介させてください。
1人目は「自然体験村」をゼロから開拓して作ったという上乗秀雄さん。元々は教員だったこともあり、「子どもたちが自然の中で学ぶ場を作りたい」という気持ちがあったそうです。また、農業の担い手が高齢化し不足しているという現状から自分自身も農業をやっていきたいという想いがあり、農業 × 自然体験ができる場を夫婦二人三脚で作り上げてきました。「今の子どもたちは何でも携帯で調べることができて、指示待ちなところがある。自然の中に出て自分で『これなんだろう?面白いな!』と好奇心に火をつけてもらいたい」と言います。
ケロンの小さな村では米粉ピザを作ったり、農作業の体験ができたり、里山の自然の中で思い切り遊ぶことができます。どんな場所かを写した動画があるので、ぜひこちらも見てみてください。
2人目は能登町に育ち、高校以降は能登町を出て、石川県の酒造メーカーに勤めてからUターンとして能登町に戻ってきたという金七聖子さん。現在は明治元年から酒造りをしている松波酒造の若女将として、主に広報、企画、商品開発をされているそうです。「一度能登町を出たからこそ、能登町の魅力がよく分かる」という金七さんはその視点を活かし、他業種とのコラボレーションを得意としており、PAC-MANとのコラボのお酒や、怪獣絵師 開田裕治先生と鬼をテーマにコラボしたお酒など、新しいことを生み出すのが大好きということでした。
ちなみに松波酒造で創られている日本酒「大江山」は100年前から変わらず、多くの過程を人の手で丁寧に作っているそうで、その様子の動画がこちらにあります。また、酒蔵は見学もできるそうなので、能登町を訪れる機会がある方は必見!
3人目は2022年7月にオープンしたばかりのDOYA COFFEEで店長をしている國分まゆ穂さん。古いヘアサロンをリノベーションしたスタイリッシュなコーヒースタンドで、美味しいコーヒーを味わうことができるだけでなく、地元の人たちが集まってまゆ穂さんと楽しく話をする温かな空間になっています。(ちなみにDOYAとは能登町の挨拶 ”どうや?” からきているそう) 能登町の宇出津生まれ、能登町育ちの國分さんは #のとがはじまる も何も、産まれた時から始まっている状態だったと語ります。
そして國分さん自身が「はじめさせたがり」だそうで、能登町に来てくれた人にすごくいい思い出を残してもらいたいと、「コーヒー飲んでゆっくりなんてせず」お節介なくらいお客さんと一緒に話して、楽しい時間を過ごすようにしているそうです。
こちらも能登町を訪れた方は必見の場所ですね。
「能登町が大好き!」を実際に場として創られている方ばかり。能登町在住の参加者にとっては場所としては知っている方も多かったはずですが、その場が「どのような想いで」拓かれているのかが伝わってくる時間でした。また、能登町外から参加されている方は、実際に行ってみようと感じる場ばかりだったはずです。( 実際、のと未来会議の会場だったNOTO CROSS PORTから5分で行くことができるDOYA COFFEEはのと未来会議が終わった後に何人もの方が訪れていました!)
自分からはじめる人のはじめかた・つづけかた
ご自分の活動をご紹介いただいた後は運営の灰谷さんをインタビュアーに、3名で対談を行いました。特に自分から何かを「はじめる」人の始め方、そして始めるだけでなく、どのように続けてきたのかについてヒントをいただくような言葉がたくさんありました。
「何かを始めるにはとにかく自分の「好き」に従うこと。やらなきゃという考えでなく、やりたいという気持ちに導いてもらう方がずっと物事が進みやすい」
「好きな気持ちは持っているだけでなく言語化すること。言葉にすることで他の人に伝えることができる。言語化は1回だけでなく、何度も何度も、その都度新しい言葉で伝えられるようにする」
「気軽な気持ちで「言ってみる」「やってみる」たくさんトライして見て、残ったものこそ自分がやるべきことなんだと思う。そして、自分がやるべきことはもちろんだけど『餅は餅屋』を忘れず、相手がプロフェッショナルな分野は信頼して任せること」
「長く続けていくには変化していくことも大事。自分と違うことをしている人とコラボできる可能性もあるので、いろんな人の話に好奇心を向ける」
「思いもよらないところでつながりや出会いがある。『こんなこと言っても無理』とか『何もならないはず』と決めつけず、とりあえず言葉にしてみる。その場では何もなかったとしても後々縁を運んでくることだってある」
などなど。
暮らしの中にもっと好きを散りばめたいという方にとって、自分で何かを「はじめてみる」も選択肢の一つになりうるはず。ぜひ既に自分からはじめた人の言葉を自分の中に取り入れてみてください。
当日、話題提供者の方がお話しくださった内容がオンライン配信され、残っています。実際にお話しされているパワーを感じながらぜひ聞いてみてください。
じっくりと「聞く」ことで感じられる、相手のエネルギー
対談が終わった後は、3グループに分かれて話題提供者の方の中でも特に気になった方のお話をじっくり聞く時間を作りました。「 私が『自分からはじめる』までのストーリー」というテーマでそれぞれの話題提供者の方に、その方自身の心の揺れ動きや葛藤など、パーソナルな部分に焦点を当てて20分間、じっくりお話しいただきました。話し手の方の話が止まっても、その場で伝えたい言葉をゆっくり待ちながら聞く時間。
今回は、せっかくなので話を聞いている人に以下の視点を持って聞いてもらいました。
・大切にしている価値観に焦点を当てる
・困難やその乗り越え方に焦点を当てる
・周りのサポートに焦点を当てる
・これからの願いに焦点を当てる
20分間、話題提供者の方のストーリーを聞かせていただいた後は、それぞれの視点から聞いてみて、どんなことが聞こえたかを伝え、話題提供者の方の言葉が「どのように聞き手に届いたのか」をお返しする時間を過ごしました。
どのグループに参加されている方も、前のめりでじっくり話を聞いてくださり、その雰囲気のおかげもあって話し手の方もするすると自分の中から言葉が出てきているような場でした。
ここ数年はオンラインイベントも増え、イヤホンでイベント登壇者の話を聞くだけという参加スタイルも増えました。忙しい方やライフスタイルの都合で参加が叶わない方にとって、とても便利なのですが、その分、対面で参加できる時こそ「その人自身のエネルギーを感じる 」という良さがあります。せっかくなので他のイベントではあまり話す機会の少ない、個人的な紆余曲折を存分に語っていただきました。
能登町に集まりたい! 5年目に見えてきた私たちの「これから」
ありがたいことに、のと未来会議は2018年の初開催から5年間、開催を続けることができました。人口減少が続く能登町で、それを超える何かを生み出したいと未来についての話をする場として能登町で開催が始まったのが2018年。コロナになっていち早くオンライン開催に切り替え、オンラインから能登町に出会ってもらう場として開催を続けてきて、今年はオンラインでの開催と現地での開催を組み合わせて場を開き続けてきました。
年間の参加者は延べ250名ほどで、毎回多くの都道府県からご参加いただくことができています。2023年はここ数年、オンラインで能登町に出会った人が「実際に能登町に集まる」ことができるよう、積極的に能登町に訪れてもらえるような機会を作っていこうと話をしています。
これからの能登町を作っていく未来に向けて、のと未来会議でも新しいチャレンジを続けます。
次回ののと未来会議は2023年1月19日 19:00~21:30「能登町と都市部の二拠点で働く」をテーマにWork Design Labパートナーの伊藤 紗恵さんを話題提供に迎え、新しい働き方へのヒントを伺いたいと思っています。 能登町との新たな関わり方を探している人にとって、特に実りある時間になること間違いなし! 次回はオンライン開催回のため、全国からご参加いただくことができます。たくさんのご参加をお待ちしています!
ご参加いただいた皆さん、どうもありがとうございました!