能登町定住促進協議会

コラム

column

働く場所を増やせる時代!? 能登町と都市部の二拠点で働くという新たな働き方と「はじまり方」

コロナ以降、リモートで働くという働き方も増え、職種によっては場所に縛られずに働くことができるようになりました。しかし、実際のところ本当に「働く拠点」自体を増やしている人はどれくらいいるのでしょうか。「自宅やカフェでリモートワークする」という選択肢がある方にとっては、本来、どこの場所でも働くことができるはず。その選択肢にぜひ「能登町もありかも?」を加えてみませんか。

 

今回ののと未来会議は、月に1週間くらい、住んでいる都心を離れて能登町で仕事をしているという伊藤紗恵さんに話題提供に来ていただき、「なぜ能登町なのか?」「どうやって仕事やつながりを得たのか?」「なんで毎月行く生活ができているのか?」ということを伺い、拠点を増やす生活についてイメージを膨らませるための時間になりました。

 

 

キャリアを積めなかったコンプレックス!? 様々なチャレンジをする伊藤さんの「幸せな働き方」

今回、話題提供に来てくださった伊藤さんは生まれが能登町の隣の珠洲市の方。育ったのは東京だったそうですが、幼少期の夏休みの思い出は能登町で過ごしたことという、能登町とのつながりがある方です。再び縁ができ、2022年6月から頻繁に訪問するきっかけになったのは、パートナーとして所属しているWork Design Labで「都市部副業人材活用による県内中小企業課題解決モデル事業」を受注したことから始まりました。都内の仕事をしつつも、副業で能登町の企業の中期経営計画作成、組織改革のプロジェクトに携わっています。

 

伊藤さん自身、何度か転職をして様々な複業にチャレンジされていますが、その始まりの1つに「20代でキャリアを積めなかったコンプレックス」があったとお話しされていました。

 

「自分は都内で働く社会人としていわゆる「普通」の社会人でした。大学卒業が近くなって、一斉にリクルートスーツを着て、皆が金融系の業界を受けているから自分も、と思って就職しました。働くことを『楽しい』と思い出したのは30代になってから。20代に何度か出産をしたこともあり、『これまであまりキャリアを積むことができなかった、幅広い経験ができなかった』という想いがあります」

 

働くことを楽しいと思うようになってから、その時の自分の「より幸せな働き方」を選ぶために転職をしたり、自分の関心が赴くままに「今、できること」をやってみたり。アクティブに動いているという「結果」だけを見ると圧倒されてしまいがちですが、その道のりは「今よりも幸せに働く」という一歩の積み重ねということでした。

 

 

自然につながりが増える能登町で広がったご縁と機会

Work Design Labの仕事の関係で、再び訪れることになった能登町。しかし、訪れるまでは「幼少期の思い出がある場所」と捉えてはいたものの、「自分がこれからも活動していく場所」とは捉えていなかったそうです。しかし、実際に能登町に滞在したことで「やっぱりもっと能登町にいたい」と思い、本来仕事で滞在するはずだった日数を延長して能登町で過ごします。 

 

延長しても特に能登町で予定がある訳でもないけれど、「もっとここにいたい」という自分の気持ちを優先したことで、「自分のことを自分で決める。どこにいくか、どう時間を使うのか。そういったことを意外とできていなかったのかもしれない」と気づいたそうです。ここから、伊藤さん自身「いろんな選択を変えていった」とお話しされていました。

 

仕事きっかけで久々に能登町に訪れた伊藤さんですが、能登町を訪れたことをSNSで発信すると、今度は能登町の近くの珠洲市で活動している別の友人から「珠洲にも来てよ」と声がかかり、珠洲市に行きつつ能登町に滞在。すると今度は珠洲の方が「来週、地元の子どもたちとワークショップがあるから子どもも連れてきなよ」と声をかけてもらい、今度は子どもを連れて能登町に行くという、つながりが「能登町を訪れる次の機会」を作っていきました。

 

「能登町は行くたびに3~4人友達が増えていきます」という伊藤さん。新しいこと、面白いことにチャレンジしているような地元の人同士も繋がりがあって、1人知り合うと芋蔓式にいろんな人に出会うことができる。来た人をあたたかく迎え入れてくれるような風土があることが「もう一度訪れたい」につながっているのではないでしょうか。

人生を変えるきっかけを作るには「時間と場所と、付き合う人」を変えること

これからの生き方を少しでも変えたいなと思っている人にとって、二拠点生活は選択肢の1つになりうると伊藤さんは続けます。著名なコンサルタントの大前研一さんが、人間が変わるためには 1. 時間配分 2.付き合う人 3.住む場所 のどれかしかないという言葉を残していますが、二拠点生活はこれを網羅的に変えていくことになるからです。

 

通っている学校、住み慣れた家やコミュニティと完全にさよならするわけではなく、過ごす場所を少し変える。それに伴って出会う人や、時間の使い方も必然的に変わっていきます。実際に伊藤さん自身も、二拠点生活にしたことで時間の使い方を考えるようになったそうで、最初は飛行機で行っていた能登町に、車でオーディオブックを聞きながら行くようになったそうです。これまでよりもビジネス書をたくさん読める生活になったり、子どもを連れていくことで都内では体験できないことを一緒に経験する機会を持つことができたりしています。

 

「二拠点生活なんて難しそう!」

 

と思う人もいるかもしれません。しかし、少しでも「やってみたいかも!」と思った人は、小さな「自己決定できること」を広げてみてください。情報を集める、機会を作って行ってみる、つながりを作って次へつなげる、と繰り返していくことで「ここでもう少し滞在したい」という暮らし方、働き方が見えてくるはずです。

※伊藤さんの話題提供者トークはこちらに動画が残っています。こちらのグラフィックレコーディングと合わせて見ていただくとより分かりやすいので、良ければご覧になってみてください。

 

「できることより、やりたいことを」多拠点のメンバーで運営する、のと未来会議

のと未来会議ではこれまでの記事でも何度かご紹介している通り、主催している能登町役場の担当者以外にも、全国にいるメンバーで協力しあって運営をしています。ここに紹介しているメンバーも全員、能登町を訪れたことがあるメンバーで、継続的にのと未来会議の運営に携わっています。

 

のと未来会議では、運営を

 

・プログラムを考える人
・当日の進行をする人 (前半・後半)
・当日の配信、zoomのチャット対応をする人
・ブレイクアウトルームの操作をする人
・参加者が見やすいようにスポットライト機能を操作する人
・写真を撮る人
・グラフィックレコーディングを描く人

 

など、細かく役割分担を行なって協力しあって運営をしています。運営メンバー同士で助け合い、なるべく「できることより、やりたいこと」を優先して担当してもらうように心がけ、チームで運営していく力を高めていくようにしています。

 

・1人で全てをやるのは難しいことを、皆の力で安定的に運営していく。
・0から1ではなく、1→10にしていくように、生み出されたものを大きな火種、運動にしていく流れを作る。
・一人一人の出番と居場所を作る。

 

こんなことをキーワードにしながら運営を続けています。

 

ついに2023年!皆さん、能登町に集まりませんか?

2018年から始まったのと未来会議もついに2023年を迎えました。多くの人に「能登町」に出会ってもらい、関心を持っていただき、「行ってみようかな?」と思っていただくためには1回イベントを開催するのではなく「継続的に」発信と開催をしていくという地道で確かな活動が必要だと考えています。 特にここ数年はコロナの影響でオンライン開催の回数が増えましたが、その分、全国から「能登町に出会う」人が増えました。

 

来年は、これまでオンラインで「出会った」皆さんと能登町で会えるような機会を作りたいと考えています。

 

2022年度ののと未来会議は残り1回!最後の回は、学生の視点から「繰り返し行きたくなる能登町の魅力」について伺う回になる予定です。 3月2日の夜開催なので、関心がある方はぜひスケジュールを確保してお待ちください。