日本で一番(?) 星空が美しい能登町
皆さんは「能登町」と聞いた時に何を最初に思い浮かべるでしょうか?美しい里山里海はもちろんのこと、豊かな海産物や、はたまた話題になったイカキング(?)を思いつく人もいるかもしれません。しかし、能登町は星空が美しい街であることも知っていただきたい魅力の1つ。環境省が毎年実施している、夜空の明るさ調査(どれくらいの等級の星が見えているかを数値化する調査)では、日本で一番の座に輝いたこともあるほどの、「星の名所」なのです。2021年度のラストを飾るのと未来会議では、そんな輝く星空を伝えたいという、星の観察館「満天星」の学芸員の宇佐美さんを話題提供者に迎え、その魅力を存分に語っていただきました。
2022,2,22 のと未来会議
・オリエンテーション
・チェックイン:あなたが残したい思い出の景色とは
・星の観察館 宇佐美さんのストーリー
・小グループでの対話 感想の共有と、自分から見えた視点について
・周りから見えたヒントやアイデア
・クロージング
「星空」がテーマの のとみらい会議
2021年度ののとみらい会議もいよいよラストになりました。今回は能登町の星空をテーマに、石川県柳田星の観察館『満天星』の学芸員、宇佐美拓也さんに話題提供者としてお話いただきました。 宇佐美さんは星空の写真をたくさん撮られている方なので、事前に何枚かいただいておき、皆でzoomの背景を星空に変えて、たくさんの星空に囲まれながら話を伺いました。
宇佐美さんは高校時代、塾の帰り道に見た美しい星空をきっかけに、星や宇宙に興味を持つようになったそうです。山形の大学で、物理学や宇宙について学んだり、長野県でプラネタリウムの解説・番組制作を行う仕事をした後、現在の星の観察館の学芸員の仕事につきました。
得意な写真やタイムラプスを使った撮影などで、美しく、ふと手を止めて見惚てしまうような星空の写真をたくさん発信しています。
私たちの体は星からできた物質でできている
宇佐美さんが星の魅力を紹介するときによく伝えているのは「私たちの体はもしからできた物質でできている」ということだそうです。
私たちの体は窒素、酸素、鉄など、さまざまな元素から成り立っています。しかし、
宇宙が生まれた時には、元々水素やヘリウムしか存在せず、恒星の内部や、超新星爆発によって色々な元素ができていったそうです。それらの元素が宇宙をめぐり、ガスとして集まって太陽や地球が生まれ、私たちの体を作る元素にもなっていっているとのこと。
こう聞くと、普段はあまり星空を気に留めない方も、一気に自分自身と近い存在として感じられるのではないでしょうか。
宇宙はまだ解明されていないことがたくさんありますが、それでも「私たちは星のカケラなのかもしれない」という視点は、とてもロマンティックで胸を熱くさせるものがありますね。
4000万個の星空を独り占めできるプラネタリウム
星の観察館「満天星」は、柳田植物公園の中にあるプラネタリウムと天文台がある天文施設です。平成5年に開館し、4000万の星空を映し出すプラネタリウム施設ではスタッフが、「その日に見える星空」を解説したり、観たい星座のリクエストを聞いて説明したりという、温かさが伝わるプログラムを提供しています。
そして「満天星」の特色はなんといっても「貸切プラネタリウム」ができること。30分間、プライベートで貸切をして、好きな日、場所の星空を解説したり、好きな音楽を流して星空を眺めることができたり、記念撮影をしたり。思う存分、美しい星空を共に過ごす時間を堪能することができます。
また、プラネタリウムの星空を撮影する50分の貸切プログラムもあるとのこと。撮影方法もレクチャーしてくれるので、自分のカメラを持っていって、使い方を教わって、その場で撮影することができるという、贅沢なプログラム。しかも貸切するときも、普段プラネタリウムに入場するときの値段とさほど変わらないそうです。これには参加者一同、非常に驚いてしまいました。このプログラムだけでも能登町に駆けつけたい人が現れそうです。
能登の星空の魅力を伝えたい
宇佐美さん自身がこれからやりたいことは「能登の星空の魅力を発信すること」だそうです。
能登町は電線のない、空一面の星空を気軽に眺めることができるうえ、広い柳田植物公園で水面に映る星空の写真を撮ることができたり、広場で流星群の観察会をしたりと心ゆくまで壮大な星空を堪能することができる機会がたくさんあります。
天文台もあるため、彗星や日食、月食などの天文現象の記録を行ったり、その写真や天体に関する情報を新聞、テレビ局に提供もしているとのこと。「君は放課後インソムニア」という漫画へも協力しているとのこと。
「満天星」が力を入れて発信しているSNSがこちらです。ぜひフォローして、美しい星空に癒されるひと時を皆さんの日常に取り入れてみてください。
話題提供者のトークはこちらから動画でご覧いただけます。
星空を発信するための一歩
今年度の のと未来会議では「能登町 × ◯◯ の一歩を生み出す」というキーワードで行っており、話題提供者の方のお話を伺った後、その話題提供者が今後やりたいことに対してのアイデア出しをする時間を作っています。 のと未来会議は連続で何度も参加してくださる方もいるので、回を追うごとに「のと未来会議で出会った方」と話す機会が増え、話し合いでのアイデアが、より個性的で面白いものが出てくるようになりました。
グループで出たアイデアは宇佐美さんにも共有し、「ぜひ取り入れてみたい!」とおっしゃっていただきました。オンラインの数時間の場は、できることは限られていますが、その中でも能登町と出会った人が、能登町の活動に活かせるような話し合いができることがのと未来会議の醍醐味ではないでしょうか。
共に作る「のと未来会議」
オンライン開催2年目となった2021年度。2020年度の開催経験を踏まえて、「こんな風にしていきたい」という想いが高まってきて、更に開催のためのペースも掴めてきました。のと未来会議では中心となってプログラム設計をする人がいるものの、運営そのものはさまざまな人の力を借りながら行っています。また、当日の進行する役割、zoomなどのテクニカルサポートをする役割、遅れてきた人をフォローする役割、発信のための写真を撮る役割などを細かく分けるようにしていて、その役割自体も交代しながら運営をしてきました。
のと未来会議そのものも能登町の方と、日本全国の人が共創しながら創り上げてきています。2022年度ものと未来会議は続く予定なので、また今年度の経験を活かしてたくさんの方に関わってもらえる場にしていきます。
2021年度ののと未来会議に参加してくださった方、そして運営に関わってくださって皆さん、どうもありがとうございました!
< 2021年度のグラフィックレコーディングのサポート>
のと未来会議では共創型ビジュアルプラクティショナー養成プログラムの受講者の中で、希望された方に、話し合いの見える化のサポートをしていただきました。
下妻 萌 ・長谷川 沙貴・岡田利実・金子由季・笹本 玲緒奈・林 加奈・渡辺恵里・白井 明日美・石川 恵理・齊藤 愛・下田美那子